サステイナビリティ学への挑戦 (岩波科学ライブラリー 137) / 小宮山 宏
岩波書店
環境問題に関する本を2冊ほど読んでみた。
世の中CO2祭りになっていて、ほぼ毎日なにかしら「カーボンオフセット商品」 か「排出権取引」に関するニュースが流れてる。それはそれで悪いことではな いのだけれど、CO2懐疑論、反IPCC的な立場をとる人もいるわけで、そちらの 立場も知っておこうと思い「環境問題の本質」を手に取った。「サステイナビ リティ」のほうは単純にタイトルにひかれたただけ。
さて、CO2懐疑論というと、
- 本当に温暖化しているのか
- CO2が温暖化の原因ではない
- IPCCは多数決で物事をきめているので、科学的とはいえない
- 気象変動は非常に多くの要因がからむ現象で、とても予測や理解できているとはいえない
- 温暖化はたしかに大事だが、経済的な観点からペイするとはいえない。またはより重要な問題が存在する。
- 暖かいほうがいい
ってなところの組み合わせですね。「環境問題の本質」もわりとCO2や温暖化 には懐疑的です。否定はしていませんが、CO2の問題よりも「水問題」や「ゴ ミ問題」のほうが切実であると訴えます。
一部フランス国内の話がつづいたり、原理主義的な環境団体に対する私見には ちょっとうんざりすることもありますし、科学的発展とその展開については少 し楽観的じゃないかなと思うところもありますが、全体としては頷ける話が多 いと感じます。
一方の「サステイナビリティ学への挑戦」は正直つまらない。学者さんの所信 表明のような本なので、少々観念的なのはしかたないのですが、クロードアレ グレの広い視野の話と並べると、物足りないですね。たとえば、「大学キャン パスで木を育てて、それを学内の机などに加工し炭素固定を行ってカーボンオ フセットなキャンパスを実現する」みたいなレベルのことを書いてます。気持 ちは分かりますけれど、頭のいい学者がその程度の規模の話を語るなよ、とい う気持ちになります。
どちらにせよ、地球でどうやって暮らしていくのか、という問いは共通してい ると感じます。なので某古館的なんでも温暖化が原因、とか、IPCCは嘘つきだ 陰謀だ、とかの話を払拭するような議論やをこれからも展開していただきたい です。



