Sat, 31 Jan 2009

誰も守ってくれない

幼女殺人の犯人の妹を、トラウマを抱えた刑事、勝浦(佐藤浩市)が守る話、「誰も守ってくれない」、を観てきました。ネタバレしますよ。

movie

長男の逮捕に殺到するマスコミとその容赦ない取材、家宅捜索中に自殺する母親、 兄がクズなら妹もクズだと罵る警察、甘い言葉で少女を誘い出し裏切る恋人、 興味本位のネットの執拗な攻撃、事件の遠因となった父と兄の対立、 妹、船村沙織(志田未来)からみれば全てが悪意に満ちています。

そして、この映画では3つの家族が登場します。 それぞれが不条理な悪意・事件の関係者であり、 一度は崩壊し回復しつつある家族、崩壊一歩手前で最後の手当がされようとする勝浦の家族、 そして主人公、沙織の家族がまさに先の悪意に翻弄され、崩壊しつつある家族の一員として描かれます。

映画は、凶悪事件やマスコミ、ネットの暴走を横糸に、家族の回復が縦糸として編み込まれてつくられていて、エンディングで勝浦は家族を守ることを沙織に教えます。それは、道徳としての教えというよりも、自分の経験を、同じ辛さを味わう15歳の少女に自分の思いを伝えるかのようです。 その意味で、この映画のテーマの一つは回復、家族の回復と言えるかな、いい映画だと思います。泣いちゃいましたし。

また、映画の他の面、例えば脇役の松田龍平はかなり良い演技。台詞は決して多くないし、何を考えているのか分からないような雰囲気なのに、物語の中で的確な動き、仕草で観客を魅了します。 例えば、「だいまじん」を逮捕するシーン、無言でボルトクリッパーを持つ背中にはちょっとしびれた。

他の役者さんも芸達者ですし、なにより監督の演出はかなり演技力を要求します。 佐藤浩市と志田未来の顔をアップにして目の演技を要求しますからね。そういう意味でも、ごまかし感の無い映画です。ただリアルかどうかとは別。ネットとか結構ステレオタイプな描き方ですけど、あの怖さは背筋凍ります(笑)

総合して、いい映画です。観たら答えがでるような映画じゃないです。

posted at: Sat, 31 Jan 2009 16:07 [blog] permanent link/comments(0)

Sun, 25 Jan 2009

武装解除 -紛争屋が見た世界 (講談社現代新書) / 伊勢崎 賢治

武装解除  -紛争屋が見た世界 (講談社現代新書)
武装解除 -紛争屋が見た世界 (講談社現代新書) / 伊勢崎 賢治
講談社

少し前の本ですが、読んでみて、自分には知らないことが多すぎる、と率直に思いました。 アフリカの失敗国家で少年兵がAK47を持ち、ゲリラとして戦う現実は、本で読んでたんですが、それを解除する側は知りませんでした。

カラシニコフ
カラシニコフ / 松本 仁一
朝日新聞社

カラシニコフII
カラシニコフII / 松本 仁一
朝日新聞社

本書の内容は具体的な武装解除(DDR)プロセスとそれに関するPKO/PKFの実際、及び作者の(日本の)平和論から成ってます。 DDRを実際に行った現場の人間の語る平和論には、説得力があります。みんなが好きな「現場の声」というやつのPKO版です。 少しだけ根本的な議論を避けるところがあるような気もしましたが(そして、たぶん、それは作者のなかで答えは出てる)、 日本は憲法の精神にのっとり平和を構築すべきだ、と語る内容は明快であり、DDRの現実がそれを補強しています。

テレビのこちら側で紛争をみているのならば、それは少しだけやめて、この本を読むのをお勧めします。テレビはその後で十分です。

posted at: Sun, 25 Jan 2009 02:18 [book] permanent link/comments(0)

陽気なギャングが地球を回す (ノン・ノベル) / 伊坂 幸太郎

陽気なギャングが地球を回す (ノン・ノベル)
陽気なギャングが地球を回す (ノン・ノベル) / 伊坂 幸太郎
祥伝社

軽くて楽しい小説ってこういうのを言うんだろうな。 佳作で楽しい2時間ドラマか映画を見るような、そういう感じの話ですね。 人生を考えるとか、生きる希望を見いだせるとか、そういうことは一切なく、エンターテイメントな作品ですね。

と、書きつつ、僕は伊坂節とでも言えばいいのかな、独特の口調や少しシニカルな台詞、言い回しが結構すきです。

「私がお前の部下に配属されたら、即座に転属願いを出すね。異動か、さもなくば辞職だ」
「頼むから辞職してくれ」

とかね。いつか普段の生活で使ってみたい・・・かも。

posted at: Sun, 25 Jan 2009 02:09 [book] permanent link/comments(0)

Sat, 24 Jan 2009

感染列島

movie photo

初日にみちゃってました、実は。で、ネタバレしますよ。

シナリオがちょっとガタガタです。長いのはかまわないのですが、恋愛映画にしたいのか、サスペンスにしたいのか、パニックムービーにしたいのか、 何をしたいのか分からないシナリオです。

映画のなかで、国が感染地域を封じ込めようとしてパニックが起きて、あちこちの街が廃墟になるスケールの大きい話があったかと思えば、 鳥インフルエンザが発生してしまったため感染原因と誤解された養鶏場の社長が首を吊って自殺するとか、 感染爆発の初期に感染した医師が死の恐怖を語りながら死んでしまうとか硬派な一面があって、 養鶏場の社長の娘の淡い恋や「終わったら迎えにきてよね」的なベタな恋愛話があったりと、映画の中で話の視点が非常に動くんです。

視点が引いたり、寄ったりが非常にラフで、繋がりが悪いです。 なので、見ていると「その話でまだ引っ張るか!」とか、逆に「あの話はどうなったんだ」と言いたくなるわけです。

そういえば、ゴジラとかの怪獣映画もこういう作り方しますね・・・。

というわけで、シナリオはダメですが、一人を除いて俳優陣は相当いい仕事してます。 一番良い仕事をしたのはカンニング竹山です(笑) 彼自身が役者になりたいかどうかはわかりませんが、野心的なウイルス学者の役が似合ってます。 台詞も一番映画らしい良い台詞でした。 3回ぐらいしか登場していませんが、彼を主役にしたスピンオフなんていうのは魅力的です。

一番ダメだったのはヒロインの壇れいでした。 彼女がでているシーンになると、いきなり「金麦冷えてるよー」って言わないかって不安になるくらい大根です。

他の突っ込みどころですが、たくさんあって面倒なのでやめますけど、浅田農産だけは思い出して欲しいです。忘れてる人はぐぐってみてください。

posted at: Sat, 24 Jan 2009 10:32 [blog] permanent link/comments(0)

時刻表の音楽 -山手線のために- / 萩原佳明

CD cover image

先月、というか年の暮れGentooの忘年会でhagiさんに「ください」ってねだってみたらいただけちゃいました。
お金出して買わなくてスミマセン。
しかも、新宿ロフトのライブにもいけなくてスミマセン。
っていきなり私信みたいに書いててスミマセン。

結構すきです。音楽の作り方(後述)を読んでみると、普通に聴けるのが不思議なのですが、普通に聴けます。 (私はわりと音楽的耐性が強いですが、ホント普通に聴けちゃいます。)

というわけで、能書きは置いておいて、まずはYoutubeで聴いてみましょうよ。そこのあなた。 曲は2分ちょっとです。人生の2分ぐらいいいでしょ?

聴きましたか?

少々脳天気な感じで始まりますが、6時台の一瞬の不協和音(青いブロックね)から、朝のラッシュ、音のラッシュに突入。 (新宿駅は半音階に変換しているから、本当の意味では和音ではないのかも。くわしくないからわかんないけど。) お昼の時間から夕方にかけてはテンポよく、夕方からはまた列車が増え、音も増えてきます。19時20分のあたりは僕のツボです。 夜も更けてくれば、本数も減る、25時の終電が少し寂しく鳴りますね。

なんのこっちゃ?という人のために、hagiさんの解説を引用します。

ある日、ふと思い付きました。「時刻表を音楽にしたら面白いかもしれない」。早速、ものは試しというわけで、発着が多そうなJR新宿駅の時刻表を音楽にしてみました。すると、ラッシュアワーで音もラッシュしていたり、終電間際は音数が減って寂しい雰囲気になったり、意外と面白い曲になりました。そこで山手線一周分、29駅の時刻表を音楽にしたのがこのCDです。 時刻表の音楽への変換は、具体的には以下のような手法を採りました。まず、時刻表の1分を16分音符として扱い、電車の発車に合わせて音を出すようにします。

こんなふうにして、このちょっと風変わりな音楽ができあがっているんですよ、そこの奥さん。 (詳しくは、こちらに曲の説明が書かれたライナーノーツが全部のってます。)

僕のお気に入りは、恵比寿と田端です。 恵比寿は少し不気味な感じで始まって、なんていうかな、現代音楽っぽいというか、朝の時間帯の盛り上がり感が独特です。 田端は、冒頭のサンプリングをどっかで聴いたことあるんですよね、どこだったかなぁ・・・。 挟み込まれるサンプリングのタイミングと後半のトゥッティでの盛り上がりが好きです。これはもっと長い曲として聴きたいですね。 ほかにも渋谷もけっこういけます。原宿もわるくない。新橋なんかも中毒を引き起こす感じしますね。 全体的にターミナル駅よりも路線が少ない駅のほうが好きなのかもしれません。

あ、あとこのジャケットデザインが好きです。おされ。

試聴はこちらから、っていうか、買いなさいよ。そこの旦那さん。(俺含む)

posted at: Sat, 24 Jan 2009 09:46 [music] permanent link/comments(23)

Wed, 14 Jan 2009

占ってもらった

一緒に仕事をしている人の影響をうけて、年末札幌に行った際に占い屋というところに、嫁と一緒に生まれて初めていってみました。

たぶん四柱推命とかいうやつだとおもいますが、名前と生年月日を言って六白水星だか土星だかいわれました。 六白かどうかも怪しいですが。

死相が出てるよとか、大金を掴むよ、みたいな話はありませんでしたが、 言われたことを並べてみると

  • 人生に「破」という字がついて回るから不注意でミスをしやすいよ、といわれました。

確かによくポカをやりますし、昨日も、本を読んでいたら降りるべき駅で降りずにだいぶ先まで行ってしまいました。 30過ぎでこれですから、たぶんあほなのかもしれません。

  • お金があっても心が充足しないタイプだね、っていわれました。

お金がたくさんあっても満足しないんだそうです。心が大事なんだそうです。それはそうかも。でも、お金がないと嫌です。

  • 暗い色の服を着ないで、パステルカラーの服を着なさい、っていわれました。

わりと黒い服が好きなのでよく着てます。占ってもらった日も着てました。 それだと周りの人から声が掛けにくいから、もっと明るい、パステル(?)カラーの色を着たほうがいいそうです。 なんか、声を掛けられる前に自殺したくなるかもしれません。

  • 手相もみてもらったところ「ますかけ」なので平凡な生活ではダメなんだそうです。

平凡な人生には縁がないのか、満足しないのかわかりませんが、普通の生活ではやっぱり満足しないみたいです。

  • 先生と呼ばれる職業がいいよ、っていわれました。

理由はもうわすれちゃいましたが、先生と呼ばれる職業がいいそうです。教員免許もってないですけど・・・。

以上を総合すると、

「明るい色を着て、先生と呼ばれつつ、平凡を避け、金に執着せず、奉仕の精神で、ケアレスミスに注意する生き方」

が良いみたいです。なんか矛盾してる気がします。

posted at: Wed, 14 Jan 2009 23:24 [blog] permanent link/comments(0)

Thu, 08 Jan 2009

テレビってシュールでも現実

テレビをつけると、アルツハイマーの初老の女性がいた。
家に居ながら、家に帰る、が口癖。

チャンネルを回すと、9歳の舌足らずの女の子が数万円の服を買ってもらっていた。
女の子はおしゃれをすると幸せだと言う。

また、チャンネルを回すと、ガザ地区の子供が病院に運ばれていた。
無言だった。

シュールすぎて頭がクラクラした。
でも、これがテレビ、そして現実。
やっぱり頭がクラクラした。

posted at: Thu, 08 Jan 2009 23:44 [blog] permanent link/comments(0)

HOLGA失敗!(バルブモード)

暮に嫁のお友達のおうちに遊びに行きました。

私は、4歳の男の子と一緒に、いや4歳児以上にブロックに夢中になりつつ、 HOLGAで子供を撮っていました。

で、現像に出してみたところ...

全部ブレブレなんです (; ;)

HOLGAは難しいけれど、何でだろう、シャッタースピードか(1/100固定だけど)、 軽いからついホールドが甘かったか、と色々考えたり調べてみましたが、 なんとバルブモードになっていたことが判明。

そ、それでか...。

...ん、室内ノーフラッシュで露光に問題なかったのは、フィルム感度選びが正しかったのではなく、 バルブモードだったからなのか...。(悲)

posted at: Thu, 08 Jan 2009 19:09 [photo] permanent link/comments(0)

Tue, 06 Jan 2009

電車の運転―運転士が語る鉄道のしくみ (中公新書) / 宇田 賢吉

電車の運転―運転士が語る鉄道のしくみ (中公新書)
電車の運転―運転士が語る鉄道のしくみ (中公新書) / 宇田 賢吉
中央公論新社

まず最初に何に感心したかって、この本のタイトルと中公新書から出版されたってこと。 著者以上に企画、編集者がすばらしいとおもいます。

その中身はというと、濃い、濃い...。 濃いというと、なんだか安っぽいけれど、鉄道の名に恥じない中身のつまった重厚な本です。 鉄道敷設の話から始まり、電車を動かす仕組み、止める仕組み、信号等々。

ただ、僕は、この本だけでは完結しないです。つまりナルホドといって読み終えられないのです。 信号なんてまじまじと見たことないし、112系とか言われても、どの路線?だし。 思うに、この本の正しい読み方はカバンに持って、駅に出かけて、電車に乗ることだと思うのです。

そういう意味で、鉄分も高く、アウトドアへの誘いでもあるという素晴らしい本なわけですよ。

posted at: Tue, 06 Jan 2009 21:59 [blog] permanent link/comments(0)

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