For Long Tomorrow / toe
スリーディーシステム
"the book about my idle plot on a vague anxiety" これがtoeのファーストアルバムのタイトル。 タイトルが暗示しているとおり、ファーストアルバムは、ストイックというよりむしろ神経症的な内向き力に導かれた危うい高揚感のある魅力的な音楽に仕立てられている。 つづいてNew Sentimentalityに収録され、本作品でも土岐麻子バージョンが収録されたtoe初の歌モノ"グッドバイ"では、
It's more complex than how i used to thought
But already i know
The start is living life to the end
Everyone is mania in general
You don't have time to sleep
For to know others
うまく届かないんだ
また 次の不安か?
A disruption and blinder
その先はないんだ
と、やはり神経症的かつシニカルな世界観を披露している。 セカンドアルバムの本作品では、toeはこれまでの内向きの力から外向きへ、ひとり部屋、街のなかから脱出して旅に出た。 旅先はスペインから南米へてアフリカへ。
アルバムの前半から、M-2 "ショウシツ点よ笛", M-4 "エソテリック"と"The book ..."からのイメージの曲と
New Sentimentalityの正常進化形ともいえる、原田郁子をフィーチャーしたM-3 "After Image"
美しくも悲しげなリフが印象的なM-5"Say it Ain't So", M-6"Two Moons"が交互に並ぶ。
そして、アルバム後半、M-7 "モスキートンはもう聞こえない#1"あたりからtoeの音像は意外な方向へ広がりはじめる。
M-9 "ラストナイト"のマリンバを引き連れて走るシンプルな疾走感、
M-10 "グッドバイ"のグリッチ風の音、
M-12 "Our Next Movement"では、サックスをフィーチャーしたファンク風toe...。
広がったサウンドスケープに一瞬戸惑いを覚えるが、メロディアスに紡がれた音楽が、まぎれもなくtoeのものであることにも気づく。
それは、異国の地にあって住んでいた街を思い出すのに似ている。
アルバムの最後は、タイトルトラックの"Long Tomorrow"。それまでの新しさから一転、 toe的スタンダードとも言える曲でアルバムで終わる。旅は終わった。まぎれもない名作。
